四つの瓦屋根
設計主旨
瓦は屋根材として日本に伝来し、現在に至るまでその用途は変わらない。
そのため瓦と人間には物理的な距離があり、またそれによる精神的な距離は年月が経つと共に広がっている。
この建築は、現代そして未来の人間にいかにして瓦の利点を理解してもらうか、
木造架構と瓦の伝統的な構成でありながら新たな種の建築として完成させられるかを試みた建築である。
屋根の上下空間
巨大な木造建築は自然を纏いながら都市の中心に腰を据える。 架構と瓦屋根の日本的建築は伝統性を感じさせながら新たな建築となる。
人々はこれまでにない近距離で瓦に触れられる。屋根にあったものが地面に降りて来た時、 そこに手を伸ばすのは外国人だけではないはずだ。
瓦の魅力を視覚で得る時代は終わった。 瓦本来の特性を半屋外の空間で気軽に体感することこそが、これからの瓦建築の発展へと繋がる。
競技場に隣接された公園は、都会を忘れさせる憩いの場であったが、 そこに建築の手が加わることでより良い憩いの空間へと独立していく。